安くて美味しい野菜が地元で買えるとして、近年流行っている農産物直売所。この記事を読んでいる方の中には、直売所への出品を検討されている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで本記事では、農家の方が農産物直売所で野菜を販売する方法、メリット・デメリットについて解説します。
農産物直売所とは
農産物直売所とは、卸売業者を介さずに直接店先に並べることのできる、農産物の販売所のことです。地元の食材が安く手に入るとして注目を集めていますが、最近ではお気に入りの農家の野菜が欲しいから直売所に行く、というお客さんも増えています。
農産物の直売所には大きく2つのタイプに分けられます。
産物の直売所には大きく2つ
- 個人直売所:自社の農地で販売するタイプ
- 企業や組合が運営する直売所:農協(JA)や道の駅で販売するタイプ
直売所で野菜を販売する方法
農家が直売所に野菜を出品するには、運営元との契約が必要です。JAの組合員である場合は、JA職員に相談して直売所に話を通してもらうのがおすすめ。
直売所での販売は、特に資格などは必要ありません。そのため、運営側は信頼できる農家の方に出品をお願いしたいと考えています。したがって、JAや農家の知り合いに紹介してもらうのが一番スムーズでしょう。
組合員でない場合は、自治体や道の駅が運営しているホームページをのぞいてみましょう。各サイトに「出荷者募集」の情報が掲載されていることがあるので、そこをクリックし、問い合わせるところからのスタートになります。
直売所の運営者と連絡して面談まで進めば、実際に野菜のサンプルを見てもらいましょう。晴れて契約となれば手続きを済ませ、2、3日後から出荷をスタートできます。
直売所に出品するときの費用
- 入会費:数千円
- 年会費:数千円
- 販売手数料:売上の15%前後
農家が直売所に出荷する場合、農家は生産者会員にならなければいけません。そのため、入会のための登録料・事務手数料として数千円程度が必要になります。
また、入会費とは別に毎年数千円の年会費がかかります。これは売り場や総会の運営維持費用にあてられます。
直売所で野菜を販売するメリット
農家が直売所で野菜を販売するメリットは次の3つ。それぞれ詳しく解説します。
農家が直売所で野菜を販売するメリット
- 販売機会を増やせる
- お客さんと直接交流できる
- 農家や組合とのコネクションができる
販売機会を増やせる
直売所での販売は多くの農家の方にとって、販売先を増やす良いきっかけになります。販売機会が増えるということは、売上見込みも増えるということ。直売所の出荷だけで年間100万円以上の売り上げを達成している農家の方もいらっしゃいます。
直売所への出荷は少量からでも可能で、規制も厳しくありません。初心者にとってもハードルが低く、気軽に始めやすい販売先といえるでしょう。
お客さんと直接交流できる
お客さんと近い距離で接することができるのも直売所の魅力の一つ。できた作物を直接業者に卸すだけでなく、自分で棚先に並べられる直売所もあり、お客さんの生の声をたくさん聞くことができます。
また、農家のオリジナリティが強いのも直売所の特徴です。特定の農家の作物を求めて訪れるお客さんも多いことから、自社農家のファン増加が期待できそうです。
農家や組合とのコネクションができる
直売所への出荷は知り合いの農家や運営組合など、コネクションを増やす機会にもなります。「ここにも出荷してみないか」「あなたのところの野菜とセットで販売したい」と話を持ちかけられることもあるようです。
直売所で野菜を販売するデメリット
農家が直売所で野菜を販売するデメリットは次の3つ。それぞれ詳しく解説します。
農家が直売所で野菜を販売するデメリット
- 季節野菜はライバルが多い
- 売上が天気に左右される
- 販売先が増えて管理が大変
季節野菜はライバルが多い
季節野菜は、同じ種類のものが商品棚に並べきれないほどたくさん出荷されていることがあります。せっかくのおいしい野菜も、ライバルが多いとどうしても埋もれてしまいます。
種まきや苗を植える時期をずらすなどの対策が必要になります。
売上が天気に左右される
直売所の多くは郊外にあるため、雨の日や気温が暑すぎたり寒すぎたりする日は客足が遠のいてしまいます。野菜の品質は同じでも、日々の売上に変動があることは押さえておきましょう。
販売先が増えて管理が大変
販売所への出荷は販売機会の増加、売上の増加につながりますが、それだけ作業量が増えることになります。どの業者に何をどれだけ出荷するのかをしっかり把握する必要があります。
まとめ
この記事では、農産物直売所で野菜を販売する方法、メリット・デメリットについて解説しました。農産物直売所は、お客さんからの評判も良く、楽しみながら売ることができる販売方法です。
初心者、ベテラン関わらず試してみる価値はあるはずです。本記事を参考にしながら、まずは最寄りの直売所での販売を検討してみてくださいね。
農産物直売所だけではなく、野菜の別の販売方法も気になる、という農家の方はこちらの記事も合わせてお読みください。