農家の心強い味方、農協。組合員になることで農産物を確実に買い取ってくれたり、優遇金利で借り入れができたりと、メリットがたくさんあると言われています。
しかしその一方で、買取金額が低かったり、半強制的なイベント参加が求められたりと、不自由さを感じている方もいらっしゃるようです。
そこで本記事では、農協に加入するメリット・デメリット、他にもおすすめの販路等について解説します。
自分の農業スタイルに合った販売方法を見つけるためにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。
農協(JA)とは農業者同士が助け合う組織
農協(農業協同組合・JA)とは、農業者が互いに助け合い、農家の経営と暮らしを守り、高めていくための協働組織のことです。
まずは「正組合員」と「準組合員」のどちらかを選ぶ
農協の組合員には「正組合員」と「準組合員」の2つがあり、どちらかを選択して加入することになります。
正組合員は、農協の運営に関わることができ、総会にて1人あたり1つの議決権を持つことになっています。また、総会や各種集会の場で意見・要望を言う権利も持っています。
一方で準組合員は、農協の運営に関わることはできないものの、農協が提供するサービスや施設を利用することができます。準組合員どうしの座談会や懇親会など、意見交流の場も設けられています。(正組合員も該当)
農協に加入する条件・方法
農協の正組合員になれるのは、農家・農業従事者・農業法人です。また、各地域の農協が定める耕作面積や農業従事日数の基準をクリアしている必要があります。
例えば、JAさっぽろの場合
- 農業を営む個人であって、その農地もしくはお住まいがJAさっぽろ地区内にある方。もしくは、年間60日以上農業に従事されている方
- 農業を営む法人(一定規模以上のものを除く)であって、その事務所または農地がJAさっぽろ地区内にあるものが加入条件とされています。
新規参入者には心強い農協に加入するメリット
農協(JA)に加入するメリットを4つほどご紹介。それぞれ詳しく解説していきます。
農協に加入するメリット4選
- 営農指導が受けられる
- JAバンクで金利が優遇される
- 生産者同士のつながりができる
- 作物を買い取ってくれる(販売先の確保が不要)
①営農指導が受けられる
農協に加入すると、栽培に関する情報提供や農業経営に関するコンサルティングを受けることができます。
数多くの生産者のノウハウが農協に蓄積されているため、悩みに寄り添ったアドバイスが得られるように。若手農家の方や、新しい作物を育てようと考える方にとってはこの上ない安心感だと思います。
補助金の申請手続きの代行や、融資・共済制度の提案も行うなど、組合員の暮らしを豊かにするサービスを提供しているのも大きなメリットの一つといえるでしょう。
②JAバンクで金利が優遇される
JAバンクでは、組合員や家族を対象に、預金の金利上乗せや各種ローンの金利引き下げの優遇サービスを提供しています。
農協が営農資金を融資してくれるパターンもあり、快適な営農ができるように工夫が施されている印象です。
③生産者同士のつながりができる
農協のイベントや懇親会を通して、知り合いの生産者が増えることも期待できます。コミュニケーションを通じてお互いの近況報告をしたり、作物や種を交換している農家の方もいるようです。
先輩農家からアドバイスが得られるとも心強く、大きなメリットとも言えるでしょう。
④作物を買い取ってくれる(販売先の確保が不要)
農協に加入している場合、規格内の作物は全て買取してくれます。そのため、直売所やインターネットなど、自身での販売先の確保は不要です。
野菜や果物と向き合う時間を増やし、作物の質を高めていくことに集中したいと考えている農家さんにとってはこの上ないメリットでしょう。
慣れてくると不自由さを感じる農協に加入するデメリット
農協に加入していて感じるデメリットについて、生産者の方の声を集めてみました。それぞれ詳しく解説します。
農協に加入するデメリット3選
- 買取の単価が低め
- イベントや集会、商品の勧誘がくる
- 農薬や肥料が指定される
①買取の単価が低め
規格内の作物は全て買取してくれますが、その単価が低いことはたびたび指摘されています。直接卸したり、インターネットで販売している農家が増えている理由もここにあるでしょう。
また、不揃いのものが多く出た時は、その売れない作物の処分に困ってしまいます。「不揃いセット」などで効率よく販売できる「インターネット販売」を検討してみても良いのかもしれません。
②イベントや集会、商品の勧誘がくる
農協に加入していると、イベントや集会、営農のための器具の勧誘がくるようになります。部会のイベントは半強制的なものも多く、移動費や参加費も実費負担であるようです。
お金以外にも時間というコストがかかるため、「面倒臭さ」を感じる農家の方も多くいらっしゃるようです。
③農薬や肥料が指定される
農協の買取はルールが厳しく、「農薬・肥料」についても指定のものを使わなければなりません。指定の農薬は割高なことが多く、利益率が下がってしまうことがたびたび指摘されています。
農協以外におすすめの販路を紹介
安心・安定を求めている方にとって農協は最善の策と言えるでしょう。一方で、高い売上、高利益率を狙う農家の方にとっては、検討の余地があるでしょう。そんな方は別の販売方法を探してみてもいいかもしれません。
野菜のおすすめの販路
- 直売所
- インターネット販売
①直売所
直売所や道の駅では、近隣の農家が出荷している農産物が販売されています。鮮度が良く、質の高い野菜が多く並んでいるということで、住民による争奪戦になることもしばしば。
お客さんと密なコミュニケーションを取れるだけでなく、自分で価格を設定できたり、不揃い品を並べたりすることで、高い収益性が期待できることもメリットと言えるでしょう。
②インターネット販売
インターネット販売では、多くの農家の方が成功をつかんでいます。なぜなら、自由な商品設定、自由な価格設定、幅広い集客が可能となっているためです。
近年では、無料かつ簡単にネットショップを開設できるサービスもあり、農家の新たな販路として市場規模は年々拡大中です。
まとめ
この記事では、農協に加入するメリット・デメリット、おすすめの販路について解説しました。
- 農協に入れば比較的安心して農作業を続けることができる
- 売上や利益が伸ばしづらく、生活が厳しいという声も
- ネット販売など、別の販路も検討してみよう
農協に卸す場合も、自身で販売する場合にも共通して「売れる野菜」と「売れない野菜」には、パッケージデザインの面でも大きな差があることがわかっています。
第一包装資材株式会社は、「売れない野菜」を「売れる野菜」に変えるために、これまで数多くのお客様にパッケージデザインをご提案してまいりました。
実際に手がけたデザイン①
実際に手がけたデザイン②
「市販のポリ袋に野菜を入れて販売している」「どんなパッケージデザインにするべきか迷っている」という方は、ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。
親身にお話を伺い、最適なアドバイスをいたします。
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