「農家は売上が低い」職業だと言われています。農協に加入しているためにいくら作っても利益が低かったり、農業人口の減少で規模を拡大できなかったり、理由はさまざまです。
そんな現状の中、自分なりの活路を見出して「とてつもなく稼ぐ農家」の方もいらっしゃいます。
このような方たちに共通しているのは、自身で「営業」しているということ。営業を通じてレストランや直売所、インターネット等で自分の野菜を売る販路を確保しています。
そこで本記事では、自分で営業し、レストランに野菜を出荷・販売して儲ける方法を解説していきます。
自分から営業していくことが必要
おいしくて、質の高い野菜を作っています。自社の野菜には自信があるので、特に営業はせず、レストランの声がかかるのを待っていたらいいですか?
基本的に待っているだけではダメです。希少なブランド野菜を取り扱っていたり、極めて有名な生産者でない限り、レストラン側から話がくることは稀です。自社から積極的に営業をかけていきましょう。
売上を伸ばすにあたって、自身で営業をすることは欠かせませんが、栽培活動で忙しいのも事実。テレビCMやビラ配りなどの広告も、あまり効果が期待できません。
それらを踏まえて、時間やお金をあまりかけずに営業するノウハウを紹介していきます。
レストランに対する営業の手順
レストランに対する営業は次の手順で行います。
- 営業先リストを作る(無料)
- リスト先に電話やFAXで連絡をとる
- サンプル品を届ける
- 承諾が下りれば取引がはじまる
①営業先リストを作る
はじめに、営業先となるレストランのリストを作成します。ここで使うのが無料のリスト化ツール。ぐるなびやiタウンページに掲載されている数万のお店を一気にリスト化してくれます。
1件1件コツコツとお店を調べることなく、現在運営中のレストランがまとめられた「新鮮なリスト」を自動で作成することができます。
「無料 リスト化(iタウンページ)」などで検索してみましょう。
②リスト先に電話やFAXで連絡をとる
営業先のリストが作成できたら、全国のレストランにコンタクトをとりましょう。メールや電話、SNSなどの方法がありますが、おすすめはFAXです。FAXであればほぼ確実に届けることができますし、手に取って読んでもらえる可能性が高いためです。
コツとしては、FAXを見た人(シェフ)が期待する農家の姿を演じることです。そんな農家の姿とは、「野菜を一生懸命つくるしか能がない田舎のオヤジ」です。
田舎のオヤジが、不器用なりにコンタクトをとってきている。どんくさそうだけど、野菜はきっとおいしいに違いない。そんな風に思ってもらえるかもしれません。
伝わるFAXの条件
- 手紙式
- 紙面は2枚以上
- どんくさく、不器用な書体
- 送信画質はノーマルで
- 返信をもらえたらサンプルを送る旨を記載
- こだわりをとにかく記載
③サンプル品を届ける
返信がきたレストランのうち、取引に繋がりそうなお店から電話をつなぎ、サンプル品を届けていきましょう。
取引に繋がるお店のランク順
- 取引決定:◯日から送ってください。
- 最終検討中:取引します。上司に確認します。
- 検討中:試食しました。取引したい。
- サンプル送付済み:サンプルを送ってください。
④承諾が下りれば取引がはじまる
相手から承諾が下りれば取引開始となります。
野菜の価格は相談で決まります。取引先を増やすために低めで設定するのか、高い利益率を確保するために高めで設定するのか、状況に合わせた価格設定が重要です。
取引先とは積極的にコミュニケーションを取り、お互いにとってメリットのある、長期的な関係を築いていきましょう。
「販売業者」に代行してもらう方法もある
本記事では自社でおこなう営業活動について解説してきましたが、販売業者に代行してもらう方法もあります。レストランに営業をかけるのが大変だという方や生産にだけ集中していたいという方は検討してみてもいいかもしれません。
業者に営業を代行してもらうメリット
- 生産に集中できる
- 作物に適したレストランを見つけてくれる
- 飲食店に限らず、多くの販売先を抱えている
まとめ
この記事では、自分で営業し、レストランに野菜を出荷・販売して儲ける方法を解説しました。
- 農家が売上を伸ばすには営業が必須
- レストランの営業先リストを作成する
- リストの営業先にFAXを送る
- サンプルを送り、こだわりを伝える
- 販売業者に代行してもらう方法もある