異なる種類の野菜を組み合わせて栽培することで、病害虫を抑えたり成長を助けるコンパニオンプランツ。
農薬の使用を抑えられたり、野菜の味が良くなったりと様々なメリットがあります。
本記事では、コンパニオンプランツの効果や相性の良い・悪い野菜の組み合わせをまとめてご紹介。
「作物の種類を増やしたら生育が悪くなった」「畑をもっと有効活用したい」
こんなお悩みも解消されるかもしれません。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
コンパニオンプランツとは相性の良い野菜の組み合わせ
コンパニオンプランツとは、お互いの成長に良い影響がある植物の組み合わせを指します。「共栄作物」とも呼ばれ、病気や害虫を防いだり、野菜の成長が早まったりするなど、様々な効果を期待できます。
例えばトマトとバジルを隣り合わせて育てることで、トマトにとって余分な水分をバジルが吸収してくれるため、甘くて美味しい実がなるようになります。
マリーゴールドには、ネグサレセンチュウという土壌害虫の発生を抑える効果があり、ナスの栽培も無農薬で済ませられるようになります。
このように、コンパニオンプランツをうまく活用することで、無農薬での栽培が可能になったり、味の良い野菜を作れるようになるのです。
コンパニオンプランツのメリットは4つ
コンパニオンプランツには以下の4つの効果があります。
コンパニオンプランツの効果
- 害虫を避ける
- 病気を予防する
- 成長を促進する
- 場所の有効活用
効果①:害虫を避ける
コンパニオンプランツはその花の色や香りで害虫を惑わし、野菜を守ります。
害虫が嫌う臭いを発する野菜を栽培して寄せ付けないようにしたり、益虫(害虫の天敵)を増やすことで害虫の発生を抑制し、野菜を守ることができるようになります。
例えば、カモミールはアブラムシの好む匂いを発するため、本来食害を起こすはずだった野菜からカモミールに誘導し、野菜を守ります。
効果②:病気を予防する
ネギやニラなどヒガンバナ科の野菜の根っこに付着している微生物が抗生物質を出すことで、病気の原因となる病原菌を減らします。
効果③:成長を促進する
背の高い植物の影に日陰でよく育つ植物を植えると、どちらも育ちが良くなります。異なる種類の野菜はそれぞれの根っこが助け合って伸び、吸水することで空気の通りがよくなるとも言われています。
マメ科の野菜の多くは空気中の窒素を植物が利用できる形で土壌に供給してくれるため、一緒に植えた野菜もよく育ちます。
効果④:場所を有効活用できる
1つのウネやプランターに複数の野菜を育てることができます。余った空間を有効活用することで、小さい土地でも多くの作物を収穫できるようになります。
【対応表】相性の良いコンパニオンプランツの組み合わせの例
コンパニオンプランツの植え方には、株と株の間に異なる種類の野菜を植える「混植」と隣り合う列ごとに異なる種類の野菜を植える「間作」という方法があります。
下の対応表から、それぞれの作物に適した方法を試してみてくださいね。
科名 | 野菜の組み合わせ例 | 主な効果 | 植え方 | アカザ科 | ホウレンソウ×カブ、コマツナ | 害虫予防 | 混植・間作 |
---|---|---|---|
ホウレンソウ×ニンジン | 成長促進 | 間作 | アブラナ科 | カブ、コマツナ×ホウレンソウ | 害虫予防 | 混植・間作 |
ラディッシュ×キュウリ | 害虫予防 | 混植 | |
カブ、コマツナ×リーフレタス、シュンギク | 害虫予防 | 混植・間作 | |
カブ×バジル | 害虫予防 | 混植 | |
カブ×ニンジン | 害虫予防成長促進 | 混植・間作 | |
キャベツ×ソラマメ | 成長促進 | 間作 | |
ダイコン×エダマメ、ダイズ | 成長促進 | 間作 | |
イネ科 | トウモロコシ×カボチャ、メロン | 成長促進 | 間作 |
トウモロコシ×エダマメ | 成長促進 | 間作 | |
ウリ科 | キュウリ×ラディッシュ | 害虫予防 | 混植 |
カボチャ×メロン、トウモロコシ | 成長促進 | 間作 | |
キュウリ、カボチャ、スイカ×ネギ | 病気予防 | 混植 | |
キュウリ×つるなしインゲン | 成長促進 | 混植 | |
キク科 | リーフレタス、シュンギク×カブ | 害虫予防 | 混植・間作 |
リーフレタス×キャベツ | 害虫予防 | 混植・間作 | |
ゴボウ×ニンジン | 害虫予防成長促進 | 間作 | |
サトイモ科 | サトイモ×ショウガ | 成長促進 | 混植 |
シソ科 | バジル×カブ | 害虫予防 | 混植・間作 |
バジル×トマト、トウガラシ、ピーマン | 害虫予防 | 混植 | |
ショウガ科 | ショウガ×サトイモ | 成長促進 | 混植 |
セリ科 | ニンジン×カブ | 害虫予防成長促進 | 間作 |
ニンジン×ゴボウ | 成長促進 | 間作 | |
ニンジン×ホウレンソウ | 成長促進 | 間作 | |
パセリ×ナス | 害虫予防 | 混植 | |
ニンジン×エダマメ | 成長促進 | 間作 | |
ナス科 | トマト、トウガラシ、ピーマン×バジル | 害虫予防 | 混植 |
ナス、トマト×ニラ | 病気予防 | 間作 | |
ジャガイモ×ネギ類 | 成長促進 | 間作 | |
ナス、ピーマン×つるなしインゲン | 害虫予防成長促進 | 混植 | |
トマト、ナス、ピーマン×ラッカセイ | 成長促進 | 混植 | |
ヒガンバナ科 | ネギ×キュウリ、カボチャ、スイカ | 病気予防 | 間作 |
ニラ×ナス、トマト | 成長促進病気予防 | 間作 | |
ネギ×ジャガイモ | 成長促進 | 間作 | |
ニンニク×イチゴ | 害虫予防 | 混植 | |
バラ科 | イチゴ×ニンニク | 害虫予防行気予防成長促進 | 混植 |
ヒルガオ科 | サツマイモ×エダマメ、ソラマメ | 成長促進 | 間作 |
マメ科 | ソラマメ×キャベツ | 成長促進 | 間作 |
エダマメ、ダイズ×ダイゴン | 成長促進 | 間作 | |
エダマメ×トウモロコシ | 成長促進 | 間作 | |
エダマメ×カボチャ | 成長促進 | 混植 | |
つるありインゲン×キュウリ | 成長促進 | 混植 | |
エダマメ×ニンジン | 成長促進 | 間作 | |
つるなしインゲン×ナス、ピーマン | 成長促進 | 間作 | |
ラッカセイ×トマト、ナス、ピーマン | 成長促進 | 間作 | |
エダマメ、ソラマメ、サツマイモ | 成長促進 | 間作 |
【注意】相性が悪い野菜の組み合わせ
野菜の組み合わせには相性の良いものばかりではなく、一緒に植えると悪影響を及ぼすようなものもあります。以下の組み合わせには十分注意が必要です。
主とする野菜 | 避けたい野菜 | 相性が悪い理由 |
---|---|---|
キャベツ | ゴマ | キャベツの生育が悪化するため。 |
イチゴ | ニラ | イチゴの生育が悪化するため。 |
キュウリスイカニンジン | インゲン | ネコブセンチュウなどの先害虫が発生する畑では被害が増大するため。 |
ジャガイモ | キャベツ | キャベツのアレロパシー効果によってジャガイモの生育が悪化するため。 |
ダイコン | 長ネギ | ネギの成分を嫌ってダイコンが曲がったり、二股になったりするため。 |
トマト | ジャガイモ | トマトの生育が悪化するため。 |
ナス | トウモロコシ | トウモロコシの影になり、ナスの生育が悪化するため。 |
レタス | ニラ | レタスの生育が悪化するため。 |
野菜全般 | ラベンダーローズマリー | 生育が悪化するため。 |
まとめ
この記事では、コンパニオンプランツの効果や相性の良い・悪い野菜の組み合わせを紹介しました。病害虫から野菜を守り、成長を促進させてくれるなど、様々なメリットがあるコンパニオンプランツ。
畑の端に植えておくだけで様々な相乗効果が見込めるため、組み合わせの良い野菜を積極的に取り入れ、野菜の質を高めていきましょう。
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