トマト農家必見！知っておくべき病害と主な対策方法を紹介します【夏・秋の栽培向け】

「トマト農家として知っておくべき病害とその対策は？」

高品質でおいしいトマトを安定的に作るためには、病害に対する予防や対策が必要不可欠。夏秋トマトの栽培時期は温暖・湿潤な気候のため、特に高温期の青枯病、多湿期の灰色かび病などが発生しやすくなります。

病害に悩まされ続けて手遅れに……。こんなことを未然に防ぐためにも、この記事では夏秋のトマトに発生しやすい病害の発生確認ポイントと防止・除去対策を表形式で紹介します。

トマトにちらほら異常が出てきている、という方も正しい知識をもって対策することで、まだ間に合うかもしれません。この記事を参考に、おいしいトマトを作っていきましょう。

トマトの病害および有効薬剤

葉かび病すすかび病

特徴	おすすめの薬剤
葉の表に黄色の斑紋（後に褐変）・葉かび病：比較的明るい黄色斑紋・すすかび病：くすんだ淡黄色斑紋葉裏に褐色のかび・葉かび病：灰褐色～褐色のかび・すすかび病：褐色～黒褐色のかび葉かび病は20~25度でまん延しやすく、すすかび病は25～30度でまん延しやすい	・イデクリーン水和剤・クリーンカップ・ダコニール1000 ・ベルクートフロアブル・ペンコゼブフロアブル・トリフミン乳剤・ベジセイバー・アミスターオプティフロアブル・ネクスターフロアブル・ラリー乳剤・ジーファイン水和剤・パレード20フロアブル・シグナムWDGニマイバー水和剤

特徴

葉の表に黄色の斑紋（後に褐変）

葉かび病：比較的明るい黄色斑紋
すすかび病：くすんだ淡黄色斑紋

葉裏に褐色のかび

葉かび病：灰褐色～褐色のかび
すすかび病：褐色～黒褐色のかび

葉かび病は20~25度でまん延しやすく、すすかび病は25～30度でまん延しやすい

斑点病

特徴

おすすめの薬剤

・葉に2、3mmの褐色斑点（周囲が黄色）
・病斑中心部が破れやすい
・まれに果実に病斑

トマト・ミニトマトで登録されている農薬
・アミスターオプティフロアブル
・ロブラール水和剤
・ファンタジスタ顆粒水和剤

ミニトマトでのみ登録されている農薬
・アグロケア水和剤
・アフェットフロアブル
・ベルクートフロアブル
・ダコニール1000
・ベジセイバー
・カーニバル水和剤

特徴

葉に2、3mmの褐色斑点（周囲が黄色）
病斑中心部が破れやすい
まれに果実に病斑

輪斑病

特徴	おすすめの薬剤
・数mm～10mmの褐色同心輪紋・葉は多湿条件で病斑中心部にかびが発生・果実に少しくぼんだ同心輪紋・病勢が進むと株が枯れ上がる	・ダコニール1000 ・ロブラール水和剤・ネクスターフロアブル・ペンコゼブフロアブル・Zボルドー

特徴

数mm～10mmの褐色同心輪紋
葉は多湿条件で病斑中心部にかびが発生
果実に少しくぼんだ同心輪紋
病勢が進むと株が枯れ上がる

灰色かび病

特徴

おすすめの薬剤

・葉にしばしば灰色のかびを伴う大型病斑
・茎に長楕円形の大型病斑
・主茎の下部が侵されると青枯病に似た全身萎凋症状となる

・インプレッションクリア
・カリグリーン
・クリーンカップ
・サンヨール
・セイビアーフロアブル20
・ダコニール1000
・タフパール
・ベルクートフロアブル
・ピカットフロアブル
・ベジセイバー
・ネクスターフロアブル
・アミスターオプティフロアブル
・ブロードワン顆粒水和剤
・ショウチノスケフロアブル
・カーニバル水和剤
・ニマイバー水和剤
・シグナムWDG

特徴

葉にしばしば灰色のかびを伴う大型病斑
茎に長楕円形の大型病斑
主茎の下部が侵されると青枯病に似た全身萎凋症状となる

疫病

特徴

おすすめの薬剤

・葉に緑灰色の不規則な病斑、大型の褐色病斑に拡大
（最初は熱湯をかけたような症状）
・茎にも褐色病斑
・果実が褐色となって腐食し、カビを生じる

・イデクリーン水和剤
・クリーンカップ
・ダコニール1000
・プロポーズ顆粒水和剤
・ライメイフロアブル
・ベジセイバー
・ザンプロDMフロアブル
・ピシロックフロアブル
・アミスターオプティフロアブル
・ペンコゼブフロアブル
・ジーファイン水和剤
・フェスティバル水和剤
・ホライズンドライ
・フロアブル
・レーバスフロアブル
・カーニバル水和剤
・フォリオゴールド

特徴

葉に緑灰色の不規則な病斑、大型の褐色病斑に拡大
（最初は熱湯をかけたような症状）
茎にも褐色病斑
果実が褐色となって腐食し、カビを生じる

かいよう病

特徴

おすすめの薬剤

病斑型症状
・中下位葉の葉縁に黒褐色病斑を生じ、病斑の拡大、葉縁の巻き上がりができる
・茎に褐色のかさぶた状の斑点
・髄部が淡褐色に変色、粉状化、空洞化

萎凋型症状
・中下位葉にしおれと脱水斑、中下位葉の脈間が黄化･褐変
・茎に褐色のかさぶた状の斑点を生じることがある
・髄部が淡褐色に変色、粉状化、空洞化

トマト・ミニトマトで登録されている農薬
・野菜類種子消毒用ドイツボルドーＡ
・カスミンボルドー
・カッパーシン水和剤

トマトのみで登録されている農薬
・マイコシールド

特徴

病斑型症状

中下位葉の葉縁に黒褐色病斑を生じ、病斑の拡大、葉縁の巻き上がりができる
茎に褐色のかさぶた状の斑点
髄部が淡褐色に変色、粉状化、空洞化

萎凋型症状

中下位葉にしおれと脱水斑、中下位葉の脈間が黄化･褐変
茎に褐色のかさぶた状の斑点を生じることがある
髄部が淡褐色に変色、粉状化、空洞化

うどんこ病

特徴

おすすめの薬剤

葉に白い粉を振ったようなカビが生える

・イデクリーン水和剤
・インプレッションクリア
・カリグリーン
・クリーンカップ
・サンヨール
・ダコニール1000
・フーモン
・ベルクートフロアブル
・ピカットフロアブル
・ベジセイバー
・トリフミン乳剤
・ネクスターフロアブル
・ジーファイン水和剤
・ショウチノスケフロアブル
・カーニバル水和剤
・ボタニガードES
・シグナムWDG
・タフパール

特徴

葉に白い粉を振ったようなカビが生える

半身萎凋病

特徴	おすすめの薬剤
・小葉の部分的な萎凋・葉縁からくさび形状に黄化・枯死・維管束部の褐変	土壌消毒剤のみ登録がある・クロルピクリン・ディ・トラペックス・バスアミド・ガスタード・キルパー

特徴

小葉の部分的な萎凋
葉縁からくさび形状に黄化・枯死
維管束部の褐変

青枯病

特徴	おすすめの薬剤
・葉の萎凋・茎先端部より萎凋・維管束部の褐変・細根が褐変･腐敗・茎切断面から白色の菌泥が出る	土壌消毒剤のみ登録がある・クロルピクリン・バスアミド・ガスタード・ソイリーン

特徴

葉の萎凋
茎先端部より萎凋
維管束部の褐変
細根が褐変･腐敗
茎切断面から白色の菌泥が出る

萎凋病

特徴	おすすめの薬剤
・下位葉から黄化・萎凋・維管束部の褐変・感染した根が褐変・病勢が進むと株が枯れ上がる	・ベンレート水和剤土壌消毒剤・クロルピクリン・ディ・トラぺックス・ソイリーン・バスアミド・ガスタード・キルパー

特徴

下位葉から黄化・萎凋
維管束部の褐変
感染した根が褐変
病勢が進むと株が枯れ上がる

軟腐病

特徴	おすすめの薬剤
・葉縁から萎凋・黄化・茎に条状、不定形の黒ずみ・髄部が軟化腐敗、悪臭を伴う	・コサイドボルドー・Zボルドー・マスタピース水和剤・カスミンボルドー

特徴

葉縁から萎凋・黄化
茎に条状、不定形の黒ずみ
髄部が軟化腐敗、悪臭を伴う

ウイルス病

特徴	おすすめの薬剤
・葉にモザイク、黄化、えそ斑、萎縮、葉巻、糸葉など茎にえそ条斑（葉にえそ斑があるとき）・茎内部は奇形、えそ（茎葉にえそがあるとき）	登録された薬物はありません

特徴

葉にモザイク、黄化、えそ斑、萎縮、葉巻、糸葉など茎にえそ条斑
（葉にえそ斑があるとき）
茎内部は奇形、えそ（茎葉にえそがあるとき）

品質の良いトマトが作れたら「包装」を工夫しましょう

「害虫もいないし病害もない、おいしいトマトができそうだ！」という方は、ぜひ今一度、包装パッケージのデザインを見直してみてほしいと思います。

なぜなら、「売れない野菜」と「売れる野菜」には、パッケージデザインの面で大きな差があるからです。

農家の似顔絵が入っている
育て方のこだわりが袋の表面に長い文章で書かれている
自分で考えたロゴが目立っている
やたらにカラフル

みなさんのお手元にある野菜の包装パッケージに、このような特徴が当てはまっていませんか？

もし一つでも心当たりがあるなら、改良の余地があるかもしれません。改良の余地があるということは、まだまだ売り上げが伸びる可能性があるということです。

購入の決め手である「野菜の鮮度」をうまく伝えるためには、無駄な情報は排除し、色を工夫してみることから始めてみましょう。

数あるトマトの中から自分の物を手にとってもらうためにも、良いモノを良いモノだと見せる工夫が求められているのです。
まずは一度、お住まいを問わず、第一包装資材にお問い合わせください。お話を伺うだけでもかまいません。豊富な経験と知見を活かして、様々な視点からアドバイスをいたします。