市場には数多くの商品が流通しており、消費者は日々多くの情報にさらされています。その中で自分が求める商品を見つけるために、わかりやすくメリットが伝わるパッケージデザインが重要になっています。
このような需要に応え、商品の特徴や魅力をアピールするオリジナルパッケージが注目されており、本記事ではその作り方について解説しています。
作り方のポイントや注意点をおさえながら、実際にオリジナルパッケージを作成する際の参考にしてみてくださいね。
オリジナルパッケージの種類
オリジナルパッケージといえば、綺麗な装飾が施された「化粧箱」が有名ですが、近年ではスタンドパックやガゼット袋なども注目を浴び、シェアを広めています。
オリジナルパッケージを作成するためにも、まずは、どんな種類のものがあるか確認してみましょう。
化粧箱
化粧箱とは、印刷や装飾を施した見栄えのよい箱のことを指します。箱を美しく装飾することから由来して、化粧箱と呼ばれるようになりました。
化粧箱の素材には板紙やダンボール、エンボス紙などが用いられます。それらの素材に対してツヤ加工やマット加工を施すことで、品質の高い仕上がりとなり、高級感を演出できます。
化粧箱が適しているアイテムは果物やお菓子、雑貨などさまざまです。中身の保護はもちろん、美しい装飾で商品そのものの見栄えを良くすることで、新たな魅力づけが可能になります。
スタンドパック
スタンドパックとは、クラフト紙やフィルムを使って作られる、自立型のパッケージです。上部のチャックと底のマチが特徴で、中身を入れると自立するようになっています。
透明なフィルムを使ったパックでは、中身の商品を見せながら、そのデザインをアピールすることができます。
チャックがついたパックでは封ができるため、お菓子などの食品や小物雑貨などのラッピングにも適しています。
ガゼット袋
ガゼット袋とは、パックの両サイドにマチが付いたパッケージのことを指します。平袋と比べると多くの商品を包装することができ、よくコーヒー豆のパッケージに使われています。
ガゼット袋は大きく2つのタイプのものがあります。1つが両サイドにマチがある一般的なタイプのもので、これを横ガゼット袋と呼びます。
また、パンなどを入れるために底にマチを作ったものを底ガゼット袋と呼びます。
オリジナルパッケージを作るときの4つのポイント
商品を包装するパッケージは、どんな人にどうやって売りたいのか、何を伝えたいのかによってデザインが変わります。
デザインのイメージを明確にするためにも、オリジナルパッケージを作るときのポイントを確認しておきましょう。
①商品コンセプトやターゲットは明確にしよう
商品のコンセプトとは、「誰が」「何を」「どのように」使うことで「どんなメリット」があるのかをまとめた内容です。
中でも「誰が」の部分であるターゲットを明確にすることで、その人に向けた商品パッケージを作ることが可能になります。
性別・年代・ライフスタイル・悩みなど、具体的なユーザー像を決めておきましょう。ユーザー像に沿ったパッケージをデザインすることで、商品の手に取ってもらう可能性が高まり、購入意欲を高めることができますよ。
②キャッチコピーや商品の特徴をしっかり表現する
パッケージに求められる役割として、どんな商品なのかを伝えることが挙げられます。そのため、キャッチコピーを付け、わかりやすいパッケージを作ることが求められます。
誇大広告や紛らわしい内容のものにならないよう注意しながら、一目見て伝わる言葉やデザインにして表現するようにしましょう。
お客さんは同時にいろんな商品を比べて見ているため、誰が見ても、どんな商品なのか一目でわかるパッケージデザインにすることが重要です。
③販売場所を考える
パッケージのデザインは、商品がどこで販売されるのかをよく意識して作成しなければなりません。商品の販売場所が、ECサイトなのかリアル店舗での陳列なのかによって、デザインの方向性も変わります。
ECサイトであれば、スマートフォンの小さな画面でも良く見えるデザインが理想です。再利用できたり捨てやすいようなものだと尚喜ばれるでしょう。
リアル店舗で販売する場合は、棚に陳列されている状態を想定しましょう。競合の商品と並んだ時に手に取ってもらえるようなデザイン面での差別化や、手に取った際の触り心地の良さにも気を配らなければなりません。
④お客さんの購入後まで考える
商品を包むパッケージは、中身の商品が使われた後も残ります。そのため、お客さんと一番長い時間触れているのは商品ではなくパッケージなのです。
パッケージの材質が良いとお客さんが再利用してくれたり、デザインが良いと取っておきたくなるかもしれません。
また、ロゴをプリントしておくことで、ブランドの宣伝効果も期待できます。
オリジナルパッケージをつくる時の注意点
オリジナルのパッケージは一度印刷してしまうと修正が難しく、作り直しに時間やコストがかかってしまいます。
いきなり作成に取りかかる前に、オリジナルパッケージ作成時の注意点についても確認しておきましょう。
①中身の商品をしっかり保護できるか
中身の保護はパッケージの重要な役割です。中身の重さや形状に合わせた素材やデザインを選んでパッケージを作るようにしましょう。
例えば、重さのある缶飲料や果物などを梱包したいときは、ダンボールなどを使った丈夫な化粧箱が適切です。
中身を湿気や汚れから守りたい場合は、撥水加工や耐油加工が施されたパッケージも有効です。
②リサイクルマークや一括表示を記載しているか
リサイクルマークとは、製品が廃棄されるときに分別収集しやすくするための識別マークです。基本的にこのマークは表示が義務付けられています。
また、食品の場合は、原材料名・添加物・保存方法・消費期限などをまとめた一括表示の記載が必要です。食品表示法や薬機法など、記載方法が法律で定められているため、事前に確認しておきましょう。
③著作権を侵害していないか
パッケージを作成するときには、完全にオリジナルのデザインを用いるようにしましょう。他人が考案したデザインや制作物を使ってしまうと、著作権違反に問われる可能性があります。
パッケージのデザインで他者の著作権を侵害したときには、犯罪行為であるとして厳しい処分を受けることにもなりかねないため、十分気をつけましょう。
オリジナルパッケージの作成手順・作成方法
オリジナルパッケージはただデザインを行えば良いというわけではなく、きちんとした順序で行わなければなりません。
ここでは、オリジナルパッケージの作成手順を5つのステップに分けてご紹介します。
①商品のターゲットを考える
商品を販売するにあたって、ターゲット層を見極めることも重要です。若者・シニア・働き世代・男性・女性などさまざまな切り口から対象を絞ることができます。
「誰に」「どんなメリット」がある商品なのかを明確にし、パッケージに欠かせないポイントを抑えておきましょう。商品のターゲットが元々決まっていれば、それを棚卸しして以下を考えていきましょう。
- 商品・・・ワイン(品質へのこだわり・1本3万円する)
- ターゲット・・・50代男性 友人への贈り物
→パッケージはシックでシンプルなものが相応しい。高級感や落ち着いた印象が重要。
②商品とマッチするパッケージをイメージする
パッケージは中身の形や種類にあったものを選びましょう。食品であれば保存性や衛生面に優れたもの、重いものであれば衝撃に強く丈夫な素材を使うことで、中身を適切に保護することができます。
③パッケージの素材を決める
オリジナルパッケージの素材には、クラフト紙やダンボールなどの紙素材が多く使われています。紙素材には他にも耐水性に優れた機能紙や環境に配慮したリサイクル紙などがあります。
また、紙以外にもビニールを使ったものも数多くあります。素材の特徴を比較しながら、中身に合ったものを選びましょう。
素材 | メリット | デメリット |
---|---|---|
クラフト紙 | 破れにくく強度が強い紙らしい手触りがある環境負荷が低い | 湿気に弱い |
ダンボール | 強度が強い費用が安く抑えられる | 見栄えに工夫が必要加工が難しい |
コート紙 | 型崩れしにくい印刷に適しているツルツルとした手触り感 | 単価が高め |
機能紙(耐油紙・耐水紙) | 水や油に強いため食品等の保存にも使える | 単価が高め |
リサイクル紙 | 環境に優しい手触りが優しい | 単価が高め耐久性が低い水や油に弱い |
各種ビニール | 耐水性・耐油性に優れる柔軟性があり様々な形状に加工できる | 自力での加工が難しい |
④デザインやキャッチコピーを考える
商品やターゲット、素材、外せない機能などがわかったら、次はパッケージのデザインに移りしょう。デザインを行うには、自分で行う方法と、外部にお願いする方法の2通りがあります。
デザインを自作する場合は紙で行うことも、WEBサービスやアプリを活用して行うこともできます。WEBサービスでは他者のデザイン案などを参考にしながらデザインできるため、初心者の方にもおすすめの方法です。
外部にお願いする場合は、デザインから印刷まで、まるごと依頼してしまうという方法もあります。
ご依頼の流れ・詳細についてはこちら 第一包装資材の制作実績をみる⑤印刷会社に依頼する
パッケージのデザインや素材が決まったら、パッケージを印刷する会社を選び依頼しましょう。パッケージは特殊な素材を専用の規格で印刷するため、家庭用の印刷機では難しいです。
素材や規格、デザインなどを印刷会社と相談しながら進めていきましょう。
また、印刷会社によって対応している素材が違うため、事前に問い合わせるなどして確認しておくこともポイントです。
まとめ
この記事では、オリジナルパッケージの作り方をその種類やポイント、注意点に沿って解説しました。
オリジナルのパッケージは作るのが難しい分、できた時の達成感が大きく、実際に売れていく様子を見るのは嬉しいものです。
この記事でご紹介したポイントや注意点をおさえながら、作成の手順に沿って作ってみてくださいね。
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