出荷先の基準をクリアできず、はじかれてしまった規格外野菜。以前は売り先を失い、廃棄されてしまうことも多かったのですが、不揃い野菜専門のEC通販サイトが登場するなど、規格外野菜の新たな活用方法が見出されています。
どんどん市場に出回ることが期待される規格外野菜ですが、生産者にとってはメリットだけでなく、デメリットも数多くあるのです。
そこで本記事では、規格外野菜が抱えている課題を解説するとともに、購入するメリットや購入できるサイトをご紹介します。
規格外野菜とは?
規格外野菜とは、出荷先に買い取られない野菜のことを指します。色や形、大きさが基準から外れていたり、傷や病害虫の被害などによって出荷できなくなってしまった野菜はこれに当てはまります。
野菜の形状が規格から外れていると、集荷・販売の際に効率が落ちてしまったり、少しでも傷があるとそこから腐食が進んでしまう可能性があるため、全てを買い取るわけにはいきません。
多くは見た目の問題で、味はほとんど変わらないため、食品ロスの原因だとも言われることもありますが、規格を定めるということは、食の安全を守るために重要なことだと言えます。
「規格外でも買い取ってくれる業者に売れば、農家の利益になるのでは?」「味が変わらないのに売らずに捨ててしまうのはもったいない」
このような声も多いのですが、農家の方にとっても規格外野菜をわざわざ売らない理由があるのです。ここからは、規格外の野菜が流通されない理由を解説していきます。
規格外野菜がそれほど流通されない理由
出荷先の基準を満たせずに売れなくなってしまった規格外野菜ですが、だからといって全てがただ廃棄されているとは限りません。規格外野菜が流通されないのにはいくつかの理由があります。
規格外が出る割合が低いから
そもそも規格外の野菜はそれほど出てこず、割合は5%にも満たないことがほとんど。大規模農家でなければ、わざわざ売るほどの量にもなりません。
出てしまった規格外野菜は家族で食べてしまったり、パートさんやご近所さんにあげたりすることであっという間になくなってしまいます。
野菜の市場価格に影響がでるから
安易に規格外野菜を安く流通させると、正規品の価格に悪影響を与えてしまう可能性が生じます。規格外野菜が安く流通して満たされるようになると、比較すると価格が高い正規品に対しての需要が減り、わざわざ買わなくなってしまいます。
低品質の野菜の流通量が増えると、野菜の価格は安くなる傾向にあります。
- 安いものしか売れないから農家も野菜の価格を安くする→農家の経営が厳しくなり、野菜の品質が下がる→質の低い野菜がさらに安く買い取られる
このような悪循環が生まれてしまうため、無闇に規格外野菜を値下げして流通させることは少ないのです。
畑に返して肥料としても活用できるから
規格外野菜は、肥料として畑に返すという使い道があります。高く売れずに手元に残った規格外の野菜を畑に返し、トラクターで潰すことで、畑に生息する微生物の餌にすることができます。
次の作物を育てるための土づくりにも貢献できますし、売り先を探す手間も省くことができます。
規格外野菜を買うメリット
規格外野菜が値下げして流通されない理由を解説しましたが、近年では、通販サイトや直売所などを通じて、食品ロスになっていた分の規格外野菜が取引されるようになりました。
ここでは、消費者にとって、規格外野菜を購入するメリットを解説します。
野菜を安く買うことができる
規格外野菜は正規品の野菜よりも安く買えるのが最大の特徴。味に違いはないため、お得にたくさんの野菜を食べたいという方にとってはおすすめです。
まとめセットなどで売られていることも多く、幅広い種類の野菜を楽しむこともできます。
食品ロスを減らせる
規格外野菜を食べることで、これまで廃棄されていた野菜の量が減るため、食品ロスの削減につながります。
しかし、上にもあるように、規格外野菜を買い続けることで、正規品の野菜に対する需要が減ってしまうこともあるため、どこでどれだけ食品ロスが生じているのかは一度調べておく必要がありそうです。
農家の方を応援できる
規格外野菜は直売所やインターネット通販での購入がほとんど。農家の方が独自に出品しているケースが多いので、規格外野菜を買うことで彼らの農業を応援することができます。
また、野菜の消費そのものを増やしていくことで、農業全体を盛り上げることにも繋がります。
規格外野菜を購入できるおすすめサイト
規格外野菜を買うメリットを確認したところで、実際に買うことのできるおすすめのサイトをいくつかご紹介します。
食ベチョク
食べチョクは、オンラインマルシェの代表的なサービスで、日本全国の生産者が作った新鮮な食材をネット上で購入することができます。
多彩な品揃えがあることが特徴で、規格外の野菜以外にも、肉や魚、米などの生鮮食品や加工食品を買うことができます。
ポケットマルシェ
ポケットマルシェは、全国の生産者が直接出品する生鮮食品や加工品を購入することができるオンラインマルシェです。
食べチョクのメリットと同様、食品の豊富さや鮮度の高さなどに定評があります。
規格外や訳ありの商品については食べチョクよりも数が多く、価格もお手頃な印象です。
ベジート
ベジートでは、規格外野菜をペースト状にし、シート加工したものが販売されています。規格外野菜の新たな活用方法として、近年注目を受けているサービスです。
野菜の過剰供給による価格暴落に繋がることもないため、消費者だけでなく、生産者の方々にとっても嬉しいサービスとなっています。
タダヤサイ
産直ECサイトのタダヤサイでは、規格外となった野菜などを無料で配るキャンペーンが実施されています。
生産者のプレゼント企画に参加するには会員登録と応募が必要ですが、新鮮で旬な青果物を手にいれるチャンスです。
ネットで農家から直接野菜を買えるサービス「オンラインマルシェ」については、こちらの記事もおすすめです。
まとめ
この記事では、規格外野菜が市場に出回らない理由を解説し、実際に購入できるサービス等も紹介しました。
流通している規格外野菜は消費者にとっては安く買えるなどのメリットがありますが、生産者にとってはうれしいことばかりではありません。
農業では安定的に食料を供給するために、規格外品が出ることを見込んで少し多めに生産しているものです。供給が足りているにもかかわらずに規格外野菜を流通させると過剰供給になり、野菜の価格が暴落してしまう可能性があります。
規格内外関わらず、正しい値決めが行われている野菜を積極的に買っていけると、農家の方々にとっても嬉しい市場になっていくのだと思います。
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