平版印刷の代表例でもあるオフセット印刷は、どのような印刷方法なのでしょうか。また、グラビア印刷やフレキソ印刷との違いはどこにあるのでしょうか。

本記事では、オフセット印刷の特徴やメリット・デメリット、他の印刷方法との違いを解説します。ぜひ参考にしてみてください。

オフセット印刷とは

オフセット印刷とは、平版印刷の一種で、スピーディかつ綺麗に印刷ができる方法です。印刷方法の中でもかなりポピュラーで、さまざまな媒体で取り入れられています。

新聞や雑誌、書籍などの出版物やパンフレット、チラシ、ポスターなどの紙の印刷物が中心で、写真やイラスト、文字などを細密に描写し、鮮明に表現することが得意です。

大ロットでの印刷では比較的安く済ませることができますが、小ロットの印刷では割高になりやすい傾向があります。

印刷の仕組み

親油性のインキと水の反発を利用し、デザインに合わせてインキを乗せる部分とインキを乗せない部分をわけます。印刷機の銅板に版が巻きつけられており、インキと水がのります。

版がブランケットと触れると、インキがブランケットに移り、そのインキが印刷用紙に転写されることで絵や文字が印刷されます。

この動作を印刷機が高速で行うことで、短時間で美しい印刷物を大量に作り上げることができます。

オフセット印刷のメリット2つ

オフセット印刷には以下の2つのメリットがあります。

①コストが低く抑えられる

オフセット印刷は版を作る時間がかかるものの、一度作ってしまえば短時間で大量の印刷物を作ることができます。

追加の印刷にも対応しやすく、大ロットであればあるほどコストが低くなるというメリットがあります。

②仕上がりが綺麗

オフセット印刷は、仕上がりが綺麗な印刷方法としても有名です。オンデマンド印刷等に比べてもイラストや写真、細かな文字などを鮮明に表現できます。

サイズの大小にも関わらず、正確なインキ配置で、イメージ通りの美しい印刷が可能です。

オフセット印刷のデメリット2つ

オフセット印刷には以下の2つのデメリットがあります。

①少部数の印刷には向かない

オフセット印刷は大量印刷に適している一方で、小ロット（少量）印刷には向いていません。オフセット印刷に使用する版は作成に時間や手間がかかるため、小ロットで印刷するとコストが高くなってしまいます。

小ロットでの印刷を行いたい場合は、オンデマンド印刷の方がコストも安く抑えられ、優れてるといえます。

②納期までに時間がかかる

オフセット印刷は仕上がりが綺麗な分、時間がかかってしまうという特徴があります。印刷は版を作るところから始めなくてはならない上、インキを乾燥させる必要があるため、その分時間がかかります。

オフセット印刷は完成するまでに時間がかかるため、余裕を持って依頼するのがおすすめです。

【比較表】オフセット印刷と他の印刷方法の違い3つ

オフセット印刷と他の印刷方法にはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、他の印刷方法との違いについて解説します。

印刷方法	品質	コスト	納期の早さ	おすすめロット数
オフセット印刷	◯	◯	△	大
グラビア印刷	◎	◯	◯	中〜大
オンデマンド印刷	◯	◯	◎	小
フレキソ印刷	△	◯	◯	中

①オフセット印刷とグラビア印刷の違い

グラビア印刷は凹版印刷の一種で、微細な濃淡が表現でき、写真画像の再現に適している印刷方法です。ビニール素材のパッケージはほとんどがグラビア印刷で行われており、幅広いシーンで活躍しています。

綺麗かつ大量に印刷できるという特徴はオフセット印刷と共通していますが、より安価に済ませたいのならばオフセット印刷の方が向いているでしょう。

②オフセット印刷とオンデマンド印刷の違い

オンデマンド印刷は、印刷データを読み取り、それを再現する印刷方法です。オンデマンドとは「要求に応じて」という意味で、1枚のみの印刷でも対応しています。

版の作成が必要ないことが最大の特徴で、印刷の時間を大幅に短縮することができます。小ロット、短納期の場合はオンデマンド印刷での依頼をおすすめします。

③オフセット印刷とフレキソ印刷の違い

フレキソ印刷は凸版印刷の一種で、紙袋や段ボールへの印刷に適した方法です。版の加工に手間がかかるものの、表面がなめらかではない物に対しても印刷が可能です。

オフセット印刷よりも低コストで印刷できますが、繊細で細かいデザインを施したい場合や、印刷物の表面が平たくなめらかな場合はオフセット印刷が向いていると言えるでしょう。

まとめ

この記事では、オフセット印刷の特徴やメリット・デメリット、他の印刷方法との違いを解説しました。ポイントは以下の通りとなっています。

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